
所有者不明土地とは、こんなイメージです

その名の通り、土地の所有者が特定できない問題です
現在、深刻な社会問題となっています
本記事では、まず所有者不明土地問題がどのように生じるのかについて解説します
また、この問題が社会に与える影響や、解決策についても考えていきます
所有者不明土地問題に関心を持っている方や、この問題の解決に携わっている方はもちろん、知識を深めたいと思っている方にも、是非読んでいただきたい内容です
Contents
所有者不明土地問題を生む主な要因とは?
相続登記をしない
登記簿上の所有者が、何年も前に亡くなっているにもかかわらず、相続登記をしないで放置していると、相続関係が複雑になりすぎて、誰が所有者なのかわからなくなってしまいます
住所変更登記をしない
登記簿上の所有者は生きているが、所在が不明で連絡がつかない、というケースもあります
所有者不明土地の割合

国土の22%と言われています
これは、九州よりも広い面積となっており、今後も増えることが予想されています
社会的影響
ゴミが不法投棄される

適切に管理されず、放置されているため
土砂崩れなどの災害が発生する
土砂崩れの恐れがあるような場所であれば、本来その対策をしなければならないのに、放置されてしまう
つまり、防げたはずの災害が発生する
公共事業、復旧・復興作業が進まない

A~Lは所有者
(1)この土地を「道路」にしたい場合
F以外の所有者は全員、道路にすることに同意したが、Fだけが所在不明で、交渉が進まない
↓
結果的に、この土地全体の公共事業が進まない
(2)例えば、震災発生後などに、Fの土地から倒壊した獲物を取り除いたり、地面を掘り起こしたい場合に、勝手に進めることができないため、復旧・復興作業が進まない
解決策
相続登記の義務化
令和6年4月1日から、相続登記が義務化され、罰則もあります
「住所」「氏名」変更登記の義務化
令和8年4月28日までに施行予定
こちらも罰則があります
今現在、登記簿上の所有者が、引っ越して住所が変わったり、結婚して氏名が変わっても、登記簿上の住所・氏名を変更する手続は、義務とはなっていません
そのため、住所・氏名が変わってから、何十年もたっているのに、登記簿上はそのまま、ということが起きていました
不要な土地を国が引き取ってくれる

父親が田舎で1人暮らししている土地を、相続で取得したが、自分は東京にずっと住んでいて、もうその土地は、今後使う予定がない
こういった場合に、国が引き取ってくれる制度です
ただし、これには非常に厳しい条件があります
【例えば】
・更地でなければならない(建物が建っていたらダメ)
・相続人が、国に対して、「負担金」を支払う
など、他にもたくさんありますので、詳しい記載は省略します
お隣さんとの関係について

Bの土地に、A(所在不明)の土地の枝がはみ出てきた場合、Bは自らその枝を切ることができます
※Aが所在不明ではなく、普通に暮らしている場合は、勝手に切ることはできません

こちらも一定の要件を満たせば、Bは、水道管を引くことができます
上記2つは、土地の有効利用を円滑化するために、民法が改正されました
画像提供|遺産相続手続まごころ代行センター(https://www.souzoku-isan.net/)
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